学生団体竹田Tキャンプ学生インタビュー |日本の田舎で、日本の未来を考える
メンバー紹介の3人目は、Tキャンプ2年目の「めばえ事」ヤーシンくんです。
「めばえ事」は、畑を舞台に、学生と地域住民が出会い、共に手を動かし、地域にあった助け合いの仕組み「結い」を、実体験を通して学ぶプロジェクトです。
ヤーシンくんはTキャンプ初のマレーシア出身のリーダーです!
――まずは自己紹介をお願いします。
ヤーシン:
福井大学工学部物質・生命化学科3年生のヤーシンです。
出身はマレーシアのイポーというまちで、古い建物が多く、朝はカフェ、夜はレストランに人が集まるような、落ち着いた雰囲気の場所です。観光地は多くありませんが、山や川に囲まれた自然がきれいなまちで、海にも1時間ほどで行けるので、家族や親戚とよく出かけていました。
お祝いの日にはおばあちゃんの家に親戚が集まって、30人くらいで食事をすることもあります。寝る場所が足りなくて、男性陣はぎゅうぎゅうになって寝ることもありました(笑)。


子どもの頃は、幼稚園から小学校まで、学校が終わるとおばあちゃんの家で過ごしていましたし、高校生のときは仕事が忙しい両親の代わりに地域の集まりに家族代表として参加することもありました。同級生と関わる方が緊張します…。
そういう環境で育ったからか、人が集まる場所や、世代の違う人と一緒に過ごすことは昔から自然でした。
竹田に来た時、地域の方と僕の顔がすごく似ていて、「お父さん来たよー」なんて冗談を言われたり(笑)。そうやって自然に受け入れてもらえたのが、すごくうれしかったです。
――竹田Tキャンプに参加したきっかけを教えてください。
ヤーシン:
福井大学のサークル博覧会で、Tキャンプのブースを見つけたのが最初です。
地域と関わりながら、自分の興味を実践できる活動だと聞いて、「これは自分に合っているかも」と思いました。
もともと福井を選んだ理由も、日本の伝統的なことや、今はなかなか体験できない地域の暮らしを、留学中にちゃんと知りたいと思っていたからです。竹田は大学からも近くて、「ここならいろいろ体験できそうだな」と感じました。
実際に参加してみると、普通の旅行では入れないような場所に行けたり、祭りや行事にも関われて。
じょんころ踊りを初めて踊ったときは、子どもから高齢者まで、みんなが当たり前のように踊っていて、歌詞には竹田の昔の話が詰まっていて、とても感動しました。
「こういう文化があるのっていいな」と思って、自分の地元にも似た文化があるのか、改めて調べてみるきっかけにもなりました。
――現在取り組んでいる「めばえ事」プロジェクトについて、立ち上げた経緯を教えてください。
ヤーシン:
1年目の 夏キャンプの反省会のあとに、事務局から「来年はどんなことをやってみたい?」と聞かれたんです。1年目は先輩のプロジェクトに入って活動していたので、2年目は自分でプロジェクトを立ち上げてみたい気持ちもありました。
そのときは何か大きな目標があったわけではなくて、「夏キャンプで関われなかった地域の人と、もっと関わりたい」という気持ちが一番に浮かびました。
夏に農業をされている地域の方と出会って、田んぼの手伝いをさせてもらえないか相談したのが、めばえ事の始まりです。

そこから事務局から「農業をテーマにしてみたら?」と背中を押してもらって、家庭菜園や自然薯づくりをしている地域の方がたくさんいることを知りました。
農業を通して人とつながるプロジェクトなら、自分にもできるかもしれないと思ったんです。
お孫さんやお母さんと仲良くなったり、カフェの草刈りをしながら店長さんと2時間くらい話したり。

今年は、メンバー集めに苦戦して、1人でプロジェクトを進めたので大変なことも多かったですが、その分、地域の方と深く関われた気がします。
――竹田の印象は、最初と今で変わりましたか?
ヤーシン:
最初は、正直に言うと「静かな田舎」という印象でした。でも、夏を過ごしてみると、その印象は大きく変わりました。
人との距離が近くて、困っていたら自然に声をかけてくれるし、応援してくれる。
静かだけど、ちゃんと人の気配がある場所だなと感じるようになりました。
盆踊りの時が一番の思い出です。地域の若者とやぐらを立てて、終わった後に差し入れのスイカを食べて、仲良くなりました。
僕はカメラを持っていたので親御さんに子どもたちが神輿を担いでいる写真を撮ってほしいと頼まれたのもうれしかったです。

踊りを褒めてもらってみんなのお手本になったり、かき氷の出店をしたり、子どもたちとかけっこして疲れて道の真ん中で休憩したり。迎えに来てくれた親御さんと話したり、おじちゃんたちと太鼓対決したり、やぐらの上でみんなで集合写真を撮ったり。自分も地域の一員になれた気がしました。
子どもたちにヤーシンいるからTキャンプの拠点に遊びにいくんだよ!と行ってもらえた時はうれしかったですね。

―― 夏キャンプの発動発表会での思い出も、かなり濃かったと聞きました。
ヤーシン:
田んぼの中で写真の展示をしたのですが、設営がとにかく大変でした。
ファイナル当日は、正直あまり準備が整っていない状態で迎えました。前日の午後から雨が降ってしまい、田んぼでの展示設営は当日の朝に行うことになりました。深夜まで作業をして、翌朝7時から再び設営が始まり、焦る気持ちの中で他のメンバーにも手伝ってもらい進めていました。
一度展示が完成したと思ったら、強い風で全て倒れてしまい、そこから二度目の設営。
昼頃に一番風が強くなり、またすべてが倒れてしまいました。「またやり直しだ」と思った瞬間、気持ちが限界に近づいていました。
飲み物を買おうとして自販機まで行ったのに財布を忘れていたことに気づき、何もできないまま5分ほどその場で泣いてしまいました…。
メンバーが飲み物を買ってきてくれて、コーヒーにミルクを入れる瞬間に、また涙が溢れてきました。キャンプ中で一番疲れていたと思います。
田んぼの端で休憩していると、メンバーが次々に集まってきて応援してくれました。
そこから自然と、みんなが展示を手伝ってくれる流れが生まれて、田んぼに人が集まり始めてやっと完成しました。


地域の方が自分の写っている写真の前で記念写真を撮ってくれたり、ドライブスルーのように立ち寄って展示を見てくれたり、キャンプメンバーの色とりどりのTシャツが鮮やかで、泣いた直後だったけれど、その光景ががおもしろかったです。
泣き疲れていたからか発表会でも不思議と緊張せず、冗談をたくさん盛り込んで発表したら地域の方がたくさん笑ってくれました(笑)。
懇親会では、三世代で夏の思い出を振り返ったり、ハラールのことを調べてくれていたこと、年末の親戚の集まりに呼んでもらったことも嬉しかったです。
今年度関わった人たちから「また来年もやろう」と声をかけてもらいました。あの一日は、うまくいかなかったことも含めて、たくさんの人に支えられていたことを実感した一日でした。
―― Tキャンプを一言で表すと?
ヤーシン:
挑戦する場所です。そして、日本の田舎で日本の未来を考えること。
自分の興味や夢を、実際にやってみることができて、それを応援してくれる人や仲間がいる。 竹田で起きていることは、日本のいろいろな地域にもつながっている課題なんだと、未来を考えるきっかけをもらいました。

―― 最後に、Tキャンプを経て感じた自分自身の変化を教えてください。
ヤーシン:
一番の変化は、自信がついたことです。
マレーシアにいた頃は、人と関わることに自信がなくて緊張していましたが、Tキャンプでは地域の方や社会人と真剣な話をしたり、新入生に説明をしたりする中で、Tキャンプ以外の活動にも自信を持つことができました。
日本語も上達したと思います!
去年は半日後には、マレー語しか話せなくなるくらい日本語に疲れてしまっていましたが、今年は40日間ずっと日本語で生活しても平気でした。竹田の方言を留学生に通訳できたときは、自分の成長を実感しました。
大学では留学生が少ない学科なので一人で勉強することが多いのですが、Tキャンプでは友達もたくさんできた。
地域の方と関わる中で、大学では学べない日本の過去や、今起きていることを知ることができました。
この経験は、マレーシアに帰ってからも、きっと自分の中で生き続けると思います。
この記事を読んで、自分も参加してみたいと感じた方は、ぜひ下記のメールアドレスに連絡をしてみてください。
メール:takeda.t.camp@gmail.com
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Instagram:https://www.instagram.com/takeda.t.camp/
【インタビュー】
ヤーシン(福井大学3年生)

