ほやってふくい! | 首都圏に出た自分たちだからこそできる、福井の魅力発信

「ほやって福井!」は首都圏の大学へ進学した福井県出身者が集まり、首都圏に福井の魅力を発信することを目的とした団体です。

今回お話を伺ったのは、ほやって福井!副代表の水野桂吾さん。福井県坂井市生まれ、藤島高校を卒業され、現在学習院大学理学部数学科に在籍されている4年生です。

今回はZOOMでのオンラインインタビューだったのですが、水野さんの背景には「あつあつのソースかつ」の文字が...!

ほやって福井!誕生のきっかけ。

ほやって福井!の団体立ち上げは2017年5月。東京大学の学園祭である「五月祭」に模擬店を出店し、福井をPRしたのが始まりでした。販売したのは「福井名物ソースカツ丼」と「福井の地酒」。

「ほやって福井!を立ち上げたのは、僕の2学年上の先輩方です。成人式で再会された際に東京でも何か面白いことしたいよね!いう話で盛り上がり、東京大学の学園祭でソースカツ丼の模擬店を出そうという話が進み、団体としての活動が始まったと聞いています。

僕が活動に参加したのは2年生のときです。東京で坂井市三国町出身の人たちが集まる飲み会に参加したとき、高校時代の先輩と再会しました。その方がほやって福井!の副代表をされていて、『暇だったら五月祭でソースカツ丼の模擬店をやるから手伝いに来てよ』と声をかけていただき、参加したのがきっかけです。

メンバーの中には仲の良い先輩もいれば初対面の先輩もいましたが、同郷出身ということで盛り上がりました。」

東京大学の学園祭は年に2回開催されます。5月に本郷キャンパスで開催される「五月祭」と、11月に駒場キャンパスで開催される「駒場祭」です。ほやって福井!は2017年から毎年ソースカツ丼の模擬店を出店して福井をPRしてきました。

「写真からもわかるように、学園祭でははっちゃけてどんどん声をかけて行くスタイルです。ソースカツ丼を売りながら『福井に行ったことはありますか?』と声をかけたり、小さい子どもがいる家族なら、恐竜博物館の話をして『行ってみたい!』と福井の楽しさを知ってもらっています。

実はYouTuberに取材されたりもしていて、密かに話題になることもあります。エゴサーチをして”おもしろい”や”福井に行ってみたい”という声を見つけては手ごたえを感じています。」

2020年は新型コロナウイルスの影響で学園祭はオンラインでの開催となってしまいまい、リアルでの活動は無くなってしまいましたが、TwitterなどのSNSはしっかり動かしておられます。

福井名物の「水ようかん」や「福井ローカルCM」「福井弁」など、福井のネタを使ってこまめに情報を発信されています。水野さんも、高校生のときからほやって福井!のtwitterは知っていたのだとか。

福井全域から首都圏に集まるメンバーたち

「新メンバーの勧誘については主に知り合いや後輩を誘っているので、藤島高校出身者が多いです。もちろん藤島高校だけに限定しているということはなくて、高志、武生、北陸、敦賀、仁愛高校出身のメンバーもいますし、ほやって福井!の前代表は高志高校の卒業生でした。出身校は関係なく、福井に関わりのある学生だったら誰でもウェルカムです!

ほやって福井!のLINEグループには約90名が参加しています。メンバーが在籍している大学は、東京大学が全体の1/3以上を占め、その他、早稲田大学、東京都立大学、東京農業大学、千葉大学など様々な大学から福井県出身の学生が集まってきています。

2020年は例年通りに学園祭などのイベントが未開催という状況で、新入生をあまり巻き込めていない状況...。

1年生と対面で話をする機会を設けて、団体の結束力を高めないといけないなと話しておられます。

ほやって福井!の活動理念は2つ。

・福井をPRすること
・首都圏での福井出身学生の交流基盤、プラットホームとなること。

「首都圏に出てきている福井出身の学生が、たまには福井を感じたいという思いで集まれる場所を目指しており、学生だけのプチ県人会のような形になっています。

運営に関わってくれている人たちのモチベーションは様々で、福井をどんどんPRしたいという熱い思いがある人もいれば、久々に高校の友達に会えるし集まってみようかなという人もおり、それぞれが自由な思いで集まっています。」

福井県と首都圏の大学生を繋いだ県外学生支援

コロナ禍で新メンバー集めには苦戦されていますが、コロナ禍によって生まれた企画もありました。

「福井市出身で県外進学生を対象として、コロナ禍の暮らしの現状についてTwitterなどでアンケートを取り、今困っていることについての情報を集めて福井市に情報提供と支援についての提案を行いました。」

「福井市東京事務所とは、東京都立葛西臨海公園で毎年2月に開催される『水仙まつり』で連携していることもあり、今回の企画につながりました。

実は、葛西臨海公園の水仙は福井市が寄贈していることもあり、毎年まつりの中に福井県ブースが設けられ、ソースカツ丼をほやって福井!で出店しています。」

首都圏を飛び出て、地元福井での活動も。

「ほやって福井!の活動を知った坂井市立丸岡南中学校の先生から声がかり、『修学旅行で東京に行く際に丸岡をPRすることを考えているので足がかりとしてほやって福井の活動を生徒の前で話してもらえないか』と依頼があり、中学校で講演をしたこともありました。」

前半はほやって福井!の活動の紹介、後半は丸岡から東京へ修学旅行へ行ったときに、どのようなPR活動ができるかというワークショップを実施。生徒5人のグループで案をまとめて、全体で共有するという流れ。

「講演会の後に、笑顔で駆け寄って来て質問をしてくれる生徒がたくさんいて、ほやって福井!で活動をしていてよかったなと思いました。」

「学園祭の模擬店からスタートした団体ですが、最近では丸岡南中学校での講演のような教育関係や、他にも福井のスポーツチームと一緒に何かできないかという依頼が来ています。

コロナ禍で中止になった企画もあるんですけど、今後またご一緒できたら良いですねという話をしているので、今後も活動を広げていきたいと思っています。」

東京で福井出身の人に出会えるとやっぱり嬉しい!

「福井出身という共通はすごく強くて、東京で福井出身の人に会えるとすごい嬉しくなりますね!高校の同級生でほぼ喋ったことがなかった人でも、東京で再会してすごく仲良くなるということもあります。福井という共通点で仲良くなることは、普通の出会いとは違うと感じます。」

Uターンをするメンバーはどのくらいいる?

水野さんは卒業後、福井へ戻り教員になる予定です。

「卒業後に首都圏で就職する人と福井へ戻る人の割合は、8:2くらいの印象です。同級生や後輩の話を聞いていると、福井へのUターンに興味があるという人も多いです。

ほやって福井!に所属していると、福井とのつながりからUターン情報も入ってきますし、福井県東京事務所などの大人の方々と話す機会も多いので、卒業後の進路について考える良い機会になっています。」

「福井出身者は、ふるさと福井が好きな人が多いです。でも、働くとなると自分の力を試したくてまずは首都圏の大企業に就職してみたいと考える同級生が多い印象です。

40〜50代になったら福井に戻りたいと考えている人もいますが、東京福井県人会などで50代の方の話を聞いていると、『自分も、若い頃は東京で就職をして後々福井に戻ろうと思っていたけど、ずるずると東京にいる』と話しておられるのを耳にしますね。」

Uターン問題はほやって福井!の中でもよく議論される話なのだとか。

「僕は福井へ戻り働くので、友人たちも福井に戻ってきてほしいとは思いますが、難しいこともわかります。就職して働き出すと友達とあつまれる機会が減っていくでしょうけど、休日に友人に会いに東京へ行ったり、正月に福井に戻って来て会うなど、関係はずっと続けていきたい。

福井に戻ってくる人が増えないと、なかなか今後福井が発展していくことが難しいかも知れませんが、首都圏にいながらも福井に関われるような交流人口を増やすことは、自分たちほやって福井!にはできることだと思っています。

福井県は、地域教育に力を入れているし、教育像も『ふるさと福井を愛する』という点を重要視しているので、教師になった後、ほやって福井!の経験を生徒たちに教えていけたらと思っています。」

水野さんが福井を好きなところは「福井のことが好きな人が多いところ」。

「一人ひとりの声はあまり大きくないけれど、福井県出身者が集まるとすごく盛り上がります。マイノリティだからこそ首都圏で仲良くなれたり、絆が強くなるというところが福井県民らしくて好きですね。」

今回お話をお伺いしたのは水野さんおひとりでしたが、ほやって福井!のSNSを見ていると「福井」を軸に様々な発信をされており、あつあつの地元愛が感じられます。

水野さんをはじめ、メンバーの皆さんは首都圏と福井の暮らしや学びなどの情報をたくさんお持ちです。これから首都圏の大学進学を検討している高校生は、ほやって福井!の皆さんに相談してみるのもいいかもしれません。

県外へ出ても、同じ福井出身同士先輩たちがあたたかく迎えてくれるのではないでしょうか。

ほやって福井!
メンバー:40名程
東京大学/早稲田大学/東京都立大学/東京農業大学/千葉大学/慶應義塾大学/中央大学/昭和大学/青山学院大学/東京学芸大学/横浜市立大学

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