学生団体竹田Tキャンプ学生インタビュー |地元ではできないことが、竹田では自然にできた

竹田Tキャンプってどんな団体?

竹田Tキャンプは、福井県坂井市丸岡町・竹田地区の人口270人ほどの小さな集落を舞台に活動する学生団体(坂井市の事業)です。
全国の大学生が長期滞在をしながら、地域の方とともに、まちの魅力や課題と向き合い、未来を考える取り組みをしています。

2016年から始まった活動は、コロナ禍などの色んな困難を乗り越え、間もなく10周年を迎えます。
詳しい活動の紹介は以前の記事でもしているので、今回は実際に活動している学生たちのインタビューをお届けしたいと思います!

竹田Tキャンプ | 「考える」ことで地域と関わる、都市と地方の2拠点活動。 - PorTふくい

地元ではできないことが、竹田では自然にできた

竹田Tキャンプで、それぞれのプロジェクトを立ち上げた7人の学生リーダーたちをご紹介します!
Tキャンプとの出会い、活動の思い出、そして悩みや葛藤…。
ひとりひとりがまったく違う背景やエピソードを持っています。
それぞれの想いを通して、Tキャンプのユニークな活動を知っていただけたらうれしいです。

まず1人目は、まもり事であり、学生代表・山本さんです。

――まずは自己紹介をお願いします。

山本:
福井工業大学で建築を学んでいる、3年生の山本です。
普段は建築設計の勉強をしながら、地域での空間づくりやまちの暮らしにも興味を持って活動しています。

豆腐がとにかく好きで、4月からほぼ毎日食べています(笑)。
絹豆腐も男豆腐も湯葉も好きで、湯豆腐食べ放題にも行くくらいです。

――竹田Tキャンプに参加したきっかけを教えてください。

山本:
きっかけは、大学の先輩が竹田をテーマにした卒業設計をしていて、それを手伝ったことでした。
その時に「竹田Tキャンプ」という活動を知ったんです。

実は竹田という場所自体は、個人的にもキャンプで訪れたことがあって知っていました。
そのときは完全に「観光客」として行っただけで。

その冬、先輩に「一緒に行ってみない?」と誘われて、1週間後にはもう竹田にいました。
初めての竹田はOBOG会。学生も、OBOGも、地域の人もほとんど知らない人だらけでどきどきでした。
その後、山口地区の会議にも参加させてもらったんですが、
「全く知らない学生なのに、こんなにあたたかく迎えてくれるんだ」と驚きました。

どこか、自分の地元に似た懐かしさも感じて——。

ただ地元では、親戚もいるし友人も多くて、あまり自分の活動を見られるが気恥ずかしくて。
竹田は、ちょうどいい距離で、居心地よかったんです。

春キャンプでは、参加する学生が少なくて、なっちゃん(事務局)と僕の二人だけの時間もありました。

でもそのおかげで、地域の方と深く関われた気がします。
なっちゃんから地域の方を紹介してもらって、ご飯を一緒に食べたり、気づけば自然と顔を覚えてもらっていて。
猟師さんが鴨や雉を持ってきてもらって一緒に捌いたり、郷土料理をつくったり——
教科書にはない「暮らしの中の学び」をたくさん経験しました。

もしあの春がなかったら、ただ竹田で生活していただけの時間がなかったら
こんなに竹田にのめり込むこともなかったと思います。

リーダーとしての意識が芽生えたのは、2年生の夏キャンプを終えたころ。
本当はなっちゃんにもいろいろ期待されていたのかもしれませんが、
気づくのは少し遅かったかもしれないですね(笑)。
でも、それくらい夢中で、竹田というまちと関わってきたんだと思います。

――現在取り組んでいる「まもり事」プロジェクトについて教えてください。

山本:
ある日、地域の方と散歩をしているときに、「竹田の蔵でなんかできんかの~」と何気なく言われたんです。
その一言に、建築を学ぶ自分として何かできるんじゃないかと感じました。

竹田には昔から多くの蔵がありますが、今は使われなくなっているものも多い。
その蔵を地域の新しい拠点として活かすことができたら――そう思って始めたのが「まもり事」です。
古い建物を守るだけでなく、人の記憶や関係を残していくことも大切にしています。

――学生代表として苦労したことはありますか?

山本:
最初は、学生代表として何をすればいいのか分かりませんでした。
僕が入ったころにはちょうど学生代表がいない時期で…。明確な引き継ぎもなかったんです。
だから、最初のうちは“代表”という言葉にプレッシャーを感じるよりも、どう動いたらいいのかが全く見えなかったですね。

とにかく周りの人たちを見て、真似るところから始めました。
先輩やOB・OGに、Tキャンプの歴史を聞いたり、どうやってチームをまとめていたのかを観察したり。
会議を進めるにも、「これでいいのかな」と迷うことばかりで、最初は本当に手探りでした。

自分は前に立ってまとめる”という経験はほとんどなくて、
メンバーにどう寄り添えばいいのか、どう伝えれば動いてもらえるのか……悩みながらの毎日でした。

反省して回数を繰り返すうちにだんだん良くなっていきました。
最終的にチームをまとめることは自分の中ではできたと思います。

その一方で、反省もあります。
自分のプロジェクト(まもり事)にも全力を注いでいたぶん、
夏キャンプでは全体を見渡す余裕がなくて、後輩へのフォローが十分にできなかったこと。
それはずっと心に残っています。

だからこそ、次の代表には自分の経験を全部伝えたい。
失敗したことも、やっておいた方がいいことも、全部。僕以上に成長してほしいですね…。

――活動の中で印象に残っているエピソードはありますか?

山本:
まもり事で使わせていただいていた地域の方との関わりがとても印象に残っています。
最初の頃は「なんでもいいよ」と関心がなさそうに見えたのですが、活動を重ねていくうちに、
僕たちの話を聞いてくれたり、一緒に考えてくれるようになっていきました。
自分たちの取り組みが、地域の方の心に少しでも届いたのかなと感じられた瞬間でした。

――Tキャンプを知らない方に向けて、一言で表すとしたら?

山本:
中から見ると「食卓」です。(分かりにくい例えかもですが…。)
拠点ではメンバーと多くの時間を一緒に過ごします。ご飯を食べるときも、料理をするときも、いつも誰かがそばにいる。時にはプロジェクトや生活のことで意見がぶつかることもありますが、そういう時間も含めて、どこか実家のような居心地のよさを感じることがあります。
竹田の中でも、チームの中でも、「自分の居場所がある」と思えることが、活動をしている中でいちばん幸せな瞬間だと思います。

外から見ると「台風」です。
学生が竹田に来るたびに、いろいろな人を巻き込みながら地域を動かしていく。学生がいなくなったあとは少し静かになって、「また来てほしい」と言ってくださる地域の方もいます。
僕たちは竹田の未来のために、良い影響を与える存在でありたいと思っています。だからこそ、「良い風を吹かせる台風」でありたいという気持ちで活動しています。

――Tキャンプを経て感じた自分自身の変化は?

山本:
人と関わることの大切さを、改めて感じるようになりました。
もともと自分から積極的に人に関わるタイプではなく、小さなコミュニティの中で過ごすことが多かったと思います。でも、Tキャンプに参加してから、知らない人とも自然に話すようになっていきました。気づけば地域の方から相談を受けるようになったり、反対に自分のことを気にかけてくれる人がいたり。
そういう関係ができていく中で、「自分は今まで、人とつながるチャンスを避けてきたのかもしれない」と気づき、少し後悔もしました。 
そこからは、人との出会いを一つひとつ大切にするようになりました。
地域の方とご飯を食べたり、旅行に行ったり、世間話をしたり、野菜を一緒に収穫したり。そうした何気ない時間の積み重ねが、いつのまにか深い絆になっていきました。
Tキャンプでの経験は、自分の中で確かに人との向き合い方を変えてくれたと思います。
竹田で過ごした時間、出会った人たちとの思い出は、これから先もずっと大切にしていきたいです。

この記事を読んで、自分も参加してみたいと感じた方は、ぜひ下記のメールアドレスに連絡をしてみてください。

メール:takeda.t.camp@gmail.com

facebook:https://www.facebook.com/takedatcamp
Instagram:https://www.instagram.com/takeda.t.camp/

【インタビュー】
山本莉玖(福井工業大学3年生)